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L'Oneiropompe / 夢先案内猫

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プイグ・・・・・蜘蛛女のキス


「黙って・・・・ちょっと静かにしてくれよ」
「ええ・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「バレンティン・・・」
「なんだい?」
「別に・・・なんでもないわ・・・」
「・・・」
「バレンティン・・・」
「・・・」
「バレンティン・・・」
「どうした?」
「ううん、なんでもない・・・、馬鹿みたいな事よ・・・
  ちょっと言いたかっただけ・・・」
「なんだい?」
「いいの・・・、言わない方がいいわ」
「・・・」
「・・・」
「モリーナ、なんなんだい?
  さっき頼んだ事をして欲しかったのかい?」
「何を?」
「キスだよ」
「ううん、他のことだったの・・・」
「してほしくないかい、今?」
「して欲しい・・・、あなたさえ気持ち悪くなければ・・・」
「俺を怒らせる気か?」
「・・・」
「・・・」
「ありがとう」
「礼を言うのはこっちだ」

 ・・・・・・

「バレンティン・・・」
「・・・」
「バレンティン、もう寝ちゃったの?」
「なんだい?」
「バレンティン・・・」
「言ってみろよ」
「あたしに全部教えて・・・、
  あなたの仲間に知らせること・・・」

「そうして欲しけりゃ」
「あたしがしなくちゃいけない事、全部教えてちょうだい・・・」
「いいよ」
「あたしが残らずしっかり頭に入れちゃうまでよ・・・」
「分かった・・・。
  さっき俺に言いたかった事って、それかい?」

「そうよ・・・」





ブエノスアイレスの刑務所の中、
テロリスト ( バレンティン ) と ホモセクシャル ( モリーナ ) の物語。

「 蜘蛛女のキス 」  トルファンの好きなマヌエル・プイグの小説
          蜘蛛女のキス・本


私はトルファンの影響で、ラテン文学本を手にするようになった。
トルファンは、お決まりの三巨頭から入っていった。

ガルシア・マルケス
  「 百年の孤独 」 「 予告された殺人の記録 」 「 青い犬の目 」・・・

マリオ・バルガス=リョサ
  「 緑の家 」 「 パンタレオン大尉と女たち 」 「 継母礼讃 」・・・

マヌエル・プイグ
  「 蜘蛛女のキス 」 「 赤い唇 」 「 天使の恥部 」・・・



この3人の中で、トルファンは、1番、プイグが好きらしい。
ガルシア・マルケスに関しては、合わないみたい・・・。


私もプイグは好きだ。
でも 私の1番のお気に入り作家は、イザベル・アジェンデ。
彼女は、非業の死をとげたチリのアジェンデ大統領の姪。
彼女の代表作の 「 精霊たちの家 」 が好き。
幻想と恐怖と笑いに充ちた約百年の物語。


これは余談だけど・・・、
以前、イザベル・アジェンデの本の中に、
トルファン(夫)のへそくりがあった。



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